英国でポスドクをして大学教員になった若手研究者のブログ

ポスドクの研究留学日記的なブログ

2014年6月23日月曜日

パリを歩く

こんにちは、Yskです。^^ ご無沙汰しています。
イギリスには夏がやって来ています。最近は晴れる日が多く、気温も23〜25℃くらいと、過ごしやすい日々が多いです。本当にたまに雨が降りますが、それもまたイギリスの風物詩でしょうか。いずれにしてもlovely seasonの到来です。

今日は外国での話を書いておこうと思います。先月、少し休みをもらってパリで休暇を過ごしたので、その話を。昨年もパリへは行ったのですが、美術館と観光名所巡りで終わってしまいました。今回はそんな感じじゃなくて、町歩き的に♪

まずはOxfordからパリに行きます。パリへはバス、電車、飛行機で行けますが、今回は飛行機で。バスは時間かかりすぎ。ユーロスターは高い!飛行機だと格安で60£くらいで行けます。GatwickやHeathrowからCharles de Gaulleまで1時間もせずに行ってくれますし、そこから10ユーロくらいで街中まで出られますしね。

しかし今回は最初からトラブルに見舞われました。まずOxfordからGatwickに向かうのに、バスが大渋滞に巻き込まれます。Oxford市内から出るのに1時間もかかりました!原因は高速道路の閉鎖。。。意味わからん。。。なので、空港に着いたら大急ぎです。走りに走ります。しかし、なーんと、Gatwickからの飛行機がシステムトラブルにより1時間以上遅れていました。。。なんじゃこれ。。。そのため、CDG空港に着いたのが夜中過ぎです。お陰様で空港からパリ市内へ向かうRER B線の最終電車に間に合わず。。。いきなりタクシーで行く羽目に。値段はおよそ50ユーロということで、まあお値段5倍。笑
遅れて下さったeasyjet様にはしこたま文句たれたかったですが、言っても何も変わりはしないので、到着早々で少しご立腹。仕方なく乗り合いでパリ市内に行こうと思い、適当にその辺の人に声かけてたら、無事に発見しました。奇遇なことにOxfordで学生をやってるオランダ人の青年でした。Oxfordでの生活や研究の話をしながら、一緒にパリに向かいます。30分もせずに市内に到着。彼と別れて今夜はただ寝るだけ。ホテルはモンマルトルの丘のすぐ東側です。 

去年もそうでしたが、兄貴がパリに来るのに合わせて日程を組んだので部屋を用意してくれました。リッチとは言えないポスドク研究者としてはありがたいことです。コンビニで買っておいてもらったサンドイッチを頬張り即就寝です。ちなみに、コンビニのサンドイッチはパリの方が美味しいですね。イギリスはやはり・・・笑

朝起きるとまずまずの天気。夜中に雨が降ったのかな?シャワーを浴びて着替えて出かけます。兄貴は学会へと足を運びます。Yskはその間、一人で散歩開始です。


最初はモンマルトルの丘に登ります。東から登ると意外と急な丘。息を切らしながら階段を登ります。登り切ると白亜のサクレ・クール寺院が現れます。圧巻の白。思ったよりデカイ。天気がイマイチなのが残念ですが、美しいです。寺院の周りの芝生は青々と茂っているので、晴天ならもっと映えるのになとか想像してしばらく見つめ合います。
サクレ・クール寺院 お美しいお姿。

サクレ・クール寺院を背にして南を向けばパリが一望できる見事な眺めです。モンマルトルはパリの北なのですが、けっこう南のモンパルナスタワーまで余裕で見えます。天気が良い夕暮れ時や早朝はさぞかし綺麗なのだろうと想いを馳せます。欧州の国どこでもそうなのですが、天気によって印象を相当に左右されるっていうのがありますね。イギリスもそう。フランスも。ドイツも。みーんな。比べて日本の景色はどうでしょう。京都の古寺群とか鎌倉とか天気によって趣が変わって、それぞれ美しいですよね。梅雨の時期だって雨露に濡れた紫陽花とかそれなりに美しさがあるし、庭の景色も四季と共に表情が移り変わって心を打たれます。建築物自体の豪華さとか壮大さとか、欧州の建築物はそれ自体が非常に魅力的です。しかし、天気や季節との調和という意味では日本というか東洋の美意識が勝るかもしれません。
パリを一望。右端がモンパルナスタワー、、だと思われる。。


とか考えながら、モンマルトルの丘を南に降ります。すると黒人のお兄様が現れて退屈な紐を売りに来ます。興味ないですと無視していましたが、突然Yskの手を掴んで巻き付けてくるのです。これ、英語喋れずに黙ってニコニコしてる日本人って思ってんなとカチンと来まして、思わずf....k o..f!!と言いそうになりましたが(笑)、ぐっと堪えてwごめんなさい、いりません(怒)。。。目を見ます。するとリーダー格の人がいるんですね、ちゃんと。その黒人の兄ちゃんが売りさばいている彼に向かって首を振ります。試合終了の合図のようです。どうぞ一人でお歩きの日本人の方はご注意くださいませー。(パリの中でここまで強引なのはモンマルトルだけでした。その他は怪しい人はいても無駄がらみしてきませんのでご安心を。)
ようやく振り返ってサクレ・クール寺院とご対面できます。気分を取り直してパシャパシャと美しいお姿を写真に収めて、はい終了。お散歩再開です。

モンマルトルの丘を出たら南に向かいます。目指すはオペラ。太陽の位置と時間だけ確認して、方角を見定めたら地図も無しに歩きます。実際パリは至る所に案内板があるので、地図など持ち歩かなくてもある程度は大丈夫です。
とうことでテキトーに歩きます。珍しい物が置いてある店を見つければちょっと足を止めて眺めます。そしてまた歩く。正直なところ、この辺の街並ってパリと言えども素っ気ないんですよね。小さな店の上にアパートみたいな感じの建物ばかりで、色は決まってベージュか白か薄い灰色。たまーに、アールヌーボー?みたない小物に出会うところは乙ですが。
アールヌーボー??笑


オペラ地区に近づくにつれてパリっぽさが増してきます。オペラに着く前にサントトリニテ教会に出会いました。特に注目していた訳でもないのですが、意外やカッコよかったのでカメラでパシャリ。こういうのが町歩きの好きなところですね。
意外な発見もあります。サントリニテ教会。


オペラ付近まで来たら、目指すはパレ・ガルニエ。ここまで来れば、街並は華やかなパリそのもの。オシャレなお姉さんやお兄さん、見るからに楽しそうな観光客、辺りは人でいっぱいです。お店も観光客向けの物から、パン屋さんだったりカフェだったり、ファッションブランドの店舗だったり雑貨店だったり、大都会パリを肌身で感じます。
さ、そのパレ・ガルニエ。見るからに豪華です。いわゆるオペラ座なのですが、日本で言う近代的な建築物とは大違いで、華やかさと威厳を持ち合わせています。昨年訪れた時に中には入ったので、今回は外観だけ拝んでさようなら。
パレ・ガルニエ。うーん、ちょっとお天気が。。。


そこから少し北西に歩きます。この通りにはデパートが建ち並んでいて、有名なプランタン・パリ本店とかもあります。個人的にこういうデパートで面白いのが食材です。日本のデパ地下みたいな感じで、美味しそうな物や見るだけで楽しい食材が売っています。昨年はそこでお土産を買ったのですが、今回はまあ特にそう言うこともなく、お手洗いをお借りして、はい、次、次。
プランタン。お手洗いのご提供ありがとうございます。笑


そこからまた南に向かってマドレーヌ教会へと向かいます。前回はこの付近のホテルを取っていたので、懐かしいなと思いながら歩きます。1年たっても変わりませんね。(当たり前か。)
マドレーヌ教会。やっぱ青空がバックだといいな。

マドレーヌ教会をカメラでジャパニーズした後はコンコルド広場へと南に下ります。ここは車の交通量が多いのですが、Yskのお気に入りの場所の一つです。オベリスクがカッコイイのと奥にフランス国会議事堂(?)と更にエッフェル塔も遠くに見えます。現在は車ばかりが通る場所ですが、ここから西に伸びるシャンゼリゼ通り奥の凱旋門から入って来た騎馬隊とかがここに集結する姿とかを想像すると格好いいなって思います。妄想ですが。笑 あ、それにその頃はエッフェル塔もないや。笑 まあでも。良いんですよ、ここ。エッフェル塔はどこから見ても華麗ですが、このコンコルド広場からアレクサンドル三世橋越しに見るエッフェル塔が自分のお気に入りです。晴れてかつ少しだけ白い雲があるとなお良し。(今回はこれも妄想。笑)アレクサンドル三世橋の金が映えますよ、ぜったい。
ちなみにもう一つ、エッフェル塔を見るのにお気に入りを挙げるなら、旧フランス陸軍士官学校を背にしてシャン・ド・マルス公園の奥から見る姿です。秋山好古がいた士官学校はここじゃなかったみたいですが。
コンコルド広場より。好きな場所。

アレクサンドル三世橋越しのエッフェル塔。いい。


コンコルド広場より。フランス国会議事堂?国民議会?のあるブルボン宮。かっけー。

コンコルド広場より。凱旋門とシャンゼリゼ大通り。


さて、コンコルド広場の景色を堪能したらそこから東に折れて、テュイルリー庭園へと足を運びます。シャンゼリゼ通りの方に行けばそのまま凱旋門にぶつかるのですが、今回はこっち。前回散々凱旋門は堪能したので。名前こそ世界一有名なシャンゼリゼ通りですが、実際歩いてみると、華やかなパリだな、くらいですから。笑 でも一度は必ず通りたい道ですが。凱旋門を眺めながら散歩っていうのはやってみたいことですしね。
それでも、まあ、今回はこっち。笑 さて、そのテュイルリー庭園。フランスの庭園はイギリスの庭園とは違っていて、植物の幾何学的な配置を楽しめます。四角く角張って刈り込んである木がまっすぐに等間隔で並んでいたり、アルキメデスの渦巻き線みたいなやつの更に複雑な模様(笑)の花壇とか。説明下手すぎるのでもう止めますが。笑 イギリスは庭とか公園と言えば青々とした芝生ですが、フランスだと小石が多い気がします。芝生もあるんですけど。でも何となく、芝生の所は鑑賞するところで、小石の所を歩く気がします。どちらも美しいです。

庭園に入って目指すはカルーゼル凱旋門、そしてルーブル美術館です。でっかい公園なので、端から歩くと出るまでに15分くらいかかってしまいます。何もせずに直進だけで。笑 ここには噴水の周りにベンチが設けられており、くつろげる場所となっています。そこで昼食やおやつを食べる観光客がいっぱいです。少し休みたいな、と思いつつも歩きます。
公園より。ルーブル宮。奥がカルーゼル凱旋門。


さて、カルーゼル凱旋門に到着。この凱旋門は有名なエトワール凱旋門、いわゆる私達が一般的に意味するところの凱旋門よりもスケールが小さいながらも、立派です。可愛らしくもあります。そのカルーゼル凱旋門の奥にルーブル美術館が見えます。あのピラミッドみたいな、有名なやつ。それを目指してカルーゼル凱旋門をくぐります。
ハイ到着。ルーブル美術館は昔は宮殿だったこともあって立派ですよね。外から眺めるだけで十分。ってことで今回は中には入りません。前回に1日かけて見たのでまあ良いかと。映えるピラミッドのモニュメントをドゥ・ジャパニーズしてさようなら。
カルーゼル凱旋門。可愛く感じる。

ルーブル美術館。混みすぎ。笑 ご挨拶だけで失礼します。


さて、ここまで来たら振り返る必要があります。なぜなら、振り返った景色が最高だからです。カルーゼル凱旋門から西を向けば、コンコルド広場のオベリスク、シャンゼリゼ大通り、エトワール凱旋門が一直線に見えます。ここまでダイナミックな景観を楽しめる都市は、日本には無いでしょう。昔から計画的に都市を発展させてきた古人の知恵とそれを守って来た市民の文化レベルの高さには感心させられます。もう少し街中が清潔なら文句ないのですが。笑 
で、ここまで来てその素晴らしい景観を見て感心し、疲れが押し寄せます。ホテルからここまで歩いておよそ2時間半。ずいぶんと歩きました。先ほど言った、噴水の前のベンチが目に入ります。そして気がつくのです。この景観の中心線上で昼寝してやろうと。ひひひ。笑
陣取ります。その中心線上の席が空くまで待っていましたが、運良く10分もしないで確保できました。さて座ります。急激な眠気に襲われます。寝ます。ぐーぐー寝ます。ふと目を開けます。いい眺めです。また寝ます。天気も良いし、贅沢なパリの休日です。
奥から凱旋門。コンコルド広場のオベリスク。テュイルリー庭園。Yskのエレガントな足。笑 背中にカルーゼル凱旋門。更に後ろにルーブル美術館。最高!


小一時間寝たでしょうか。寝て起きたら腹が減りました。実は去年食べて忘れられない物があるんです。フォアグラソースのパスタ。それをどこで食べたのかも覚えています。そこに言って食べようと決めました。場所はさっき通り過ぎてきたマドレーヌ教会のすぐ近く。もちろん歩いて戻ります。同じ道ではつまらないので、適当に方角だけ見て歩いて来ます。すると、高い塔に出会いました。ここはどこなのでしょう。その辺の看板を見るとヴェンドームだとか何とかって書いてあります。ヴェンドーム・・ヴェンドーム・・・ヴァンドーム??あれ??これってショパンが住んでいた所じゃね!!??クラシック好きとしては意外な発見にテンションが上がってしまいます。笑 偶然にもショパンがパリ時代に住んでいて最後に息を引き取った場所に自分がいるんだーとしみじみしてしまいました。散歩ってこういうのが楽しい。
ヴァンドーム広場のモニュメント。ここにショパンはいたんだなあ。


昔のことに妄想を膨らませてニタニタしながら歩きます。さっきのマドレーヌの近くに戻って来ました。目指す店は決まっています。名前を何というのか知らないですが、青い店。笑
店に入ります。「お一人様?」と聞かれ、はい、ランチ食べたいです、と。Ysk。ところが「ランチ?ダンス?」って聞かれて戸惑う私。笑 ダンス?あのダンス?(小躍りしてみる。笑)それを見て気に入ったのか、彼が笑いながら冗談だと言ってくれて、案内されます。ついつい素が出てしまって少し恥ずかしい。汗
注文するものは決まっています。まずは喉が渇いたのでビール。それから本日のスープ。そして最後に生ハムのタリアテッレ(フォアグラソース付き)です。
驚きだったのが自分が何も言わなくても、日本語のメニューが来たこと。よく見てるなあ、と。何を見てYskが日本人だと思ったのでしょうかね。もしかして小躍りでチェックされた?笑 まあいいや。

ビールがまず来ます。5月でも十分暖かくて、けっこう歩いたので喉も渇いています。良くみたら・・・間違ってベルギービール頼んでましたorz でもまあいいか。とりあえず飲みます。美味しいですし。クローネンブルクとかにしとけば良かったか・・・でもなんかフランスのカフェ料理に合わないね・・・ま、いいか。とか、考えながらもごくごく飲んでるうちにスープ登場。イギリスと違ってフランスではパンはただなので、パンもついてきます。バターを塗ってスープと一緒にして食べます。日本で言うスープってコンソメの味で水っぽい感じをまず想像すると思いますけど、こっちではポタージュに近いです。イギリスもそうなんですけど。だから、パンとの相性がすごい良くてパクパク食べてしまいます。しかもパンはタダで食べ放題だし。パリっていいですなあ。
失敗のベルギービールに本日のスープ。パンは食べ放題。ただ。

スープが食べ終わればお次はお待ちかねのタリアテッレ。ちょっと待ってます。スープが食べ終わってるのに気がついているのですが、何か持ってくる気配がありません。15分も待っていると、「何か他に注文しますか?」と聞かれました。笑
「おい!タリアテッレ頼んじゃんか!」とイラッと来ましたが「先ほどタリアテッレを頼んだと思うのですが、シェフに伝わってないですか?」と聞きます。無駄に丁寧に。笑 そしたら一番最初に注文をとった人がやって来て、「ごめんなさい。これは完全に私のミスです。すみません。すぐにお持ちいたします。」と平謝り。ふ〜まあいいか、と残り少ないビールを飲みながら待ちます。すると10分くらいで出て来ました。一年ぶりにご対面。待っていました、この時を。前回と変わらないはずがってていうか、以前にも増して今日は生ハムの盛り具合が多い気がします。さっき文句言ったからか・・・笑 ともあれ、食します。いただきます。美味い!やっぱり美味い! フランスに来てイタリアの料理のタリアテッレですか!?っていうツッコミはあると思うのですが、とりあえずフォアグラソースがフランスだからいいじゃないか、ということで。笑 実際、イタリアがどうのこうのとか無視できるくらい美味しいです。大切に食べていたつもりが、あっという間にぺろりとたいらげてしまって、はい、ごちそうさま。だいぶ長い時間滞在してしまったので、すぐにお会計をしてもらいます。
これが本日のメインイベント。うまし。フォアグラがいい。そして安い。

値段を見ると何故かすごい安い。不思議に思いながらも会計を済ませて店を出ます。後から考えるにスープの値段入っていなかったですね。タリアテッレ忘れていた分、スープ代引いてくれたのかしら。なんかよく分かんないけど、まあいいや。笑 美味しかった!!
ちなみに。フランスと言えどもフォアグラは高いと思っている人はいるかもしれませんが、ぜんぜんそんなことありません。カフェレベルでも十分に美味しくて安いフォアグラを出しています。ヘタしたら10ユーロくらい。カフェレストランでフォアグラを頼むとメインで20ユーロくらいでしょうか。パンの付け合わせにフォアグラのパテみたいなやつだったら、もっともっと安い。サラダに入っていたりもするので、本当に気軽に食べられます。みなさんも是非お試し下さい。

帰りもモンマルトルまで歩いて帰ろうって思ったのですが、お腹に入れたら急に疲れが出て、地下鉄で帰ろうと。若干、道に迷って無駄歩きした分、心が折れたのもありますが。笑

散歩はその後も続きます。ですが今回はここで止めておこうと思います。また次回!
Yskでした。