英国でポスドクをして大学教員になった若手研究者のブログ

ポスドクの研究留学日記的なブログ

2017年5月14日日曜日

椎間板ヘルニア闘病記④リハビリの開始と途中経過

 少し間が空いてしまいましたが、前回の続きを書きます。今回からは術後とリハビリの様子を記して行きたいと思います。同じ腰痛を持つ人のなにかしらの参考になれば嬉しく思います。
それではスタート!

術後一日目
 朝から点滴は続く。痛み止めはもう打たなくても大丈夫だ。投薬は感染症予防のセファロスポリン系抗生物質。朝起きて体温と血圧の測定。血液ドレーンの確認。朝食を普通にぺろりとたいらげた。しばらくすると看護師さんがご登場。「立ってみましょうか?」「ええ!」で、立つ。(おそらくは、担当医の先生から立てそうなら立って良いとの指示を受けているのだと思われる。)立てる。そろりそろり歩ける。スクワットやってみる。気持ちいい。トイレにも行ける。立てるって素晴らしいと実感。寝ているだけって本当に辛い。老化で歩けなくなったら本当に辛いなって疑似体験した気分。これからも足腰は鍛えよう、大切にしようって心から思った。そこに母親が訪れた。術前は色々と大変な事になりそうだったので、協力をお願いしたが、もはや来てもらう意味も無いくらいだった。(なにしろ、術後数日は身動きが取れない状態も考えられるため、おむつを用意するよう指示されていたのだ。結果的にまったく必要なかったが。しかし、必要になる人がいるのも事実なのだろう。おそらくLOVE法でやった場合はその可能性が上がると思う。)数時間のお喋りをして母親は退散。遠方からお金と時間をかけて来てもらって、結局何もせずにお帰りになって申し訳なかった。その日はたまに歩き、たまに寝て、起きて食べてネットで遊んで。何もせずに平和に終わった。


術後二日目
 リハビリに向けた説明があった。非常に合理的説明を受けて感心したのでまとめておく。

 まずは理学療法士による問診があった。色々と自分の体をチェックしていただいた。まず何よりも先に判明したのは、今まで痛かった左足の硬さが尋常じゃないこと。ここまで硬いのは珍しいを通り越しているとの指摘があった。これから徐々に柔らかくしてく努力が必要。しかし腰やお尻の方に痛みがある時は、これはヘルニアによる症状なので、良くなるまで止めた方が良いとのことだった。

 更に伸びるとはどういう事かを理解するのは大切とのこと。筋肉、筋膜、神経、皮膚、これらが伸びてくると体は柔らかくなる。なので一部だけでは不十分であり痛みの原因。一つ一つ丁寧に伸ばしていくことになる。マッサージは繊維の束をほどくつもりでやる。裂けるチーズの束を指で押してほどくようなイメージ(おお!)。更にストレッチは30秒以上やって初めて効果がある。続ける事が大切。(はい!)なるほどと思った。
 筋肉を伸ばすのはいわゆるストレッチの感覚でよい。痛みが出るギリギリの所で止める。痛いと筋肉痛になって返って逆効果。筋膜や皮膚を伸ばすのにはバスタオル等を硬く巻いた物を使うと良い。その上に座るだけでも、物理的に筋が伸びる。それを少しずつずらして足全体をやっていく。左が特にヤバイので重点的にやりたい。その時に体重が後ろに行ってしまうと、いわゆる猫背の悪い姿勢になって腰に負担がかかるので、絶対に後ろには体重をかけない。色々と注意点やポイントが多いので理解するのと体感で覚えるのに時間がかかるが、術後のリハビリが重要と皆さん言うので必死になって覚える。普段より脳みそ働かせている感じがした。

 腰に一番負担がかかるのは、意外にも座りながらの前屈とのこと。これは極力避けるべきだ。次に圧迫がかかるのは立ったままの前屈。いわゆる田植えポーズ。これも無理にはやらない。椎間板に悪影響である。

 足腰の柔らかさはとにかく継続が必要。アキレス腱、ひらめ筋、下腿三頭筋、膝の裏の筋、ハムストリング、これらの筋肉や筋を全て延ばしていく必要がある。
 延ばす時は反動をつけてはならない。痛むギリギリ手前で止める。止めたままマッサージとかは良いこと。そして30秒以上続ける。アキレス腱やひらめ筋はいわゆるラジオ体操の姿勢。それを後ろ側に体重を持って行くのが、ひらめ筋の内側の下腿三頭筋。ハムストリングは先ほどのタオル等でやると良い。痛みも負担も少ない。しかし効果は薄いのでできるならしっかり伸ばしたい。準備運動と捉えて良いだろう。ストレッチ用のポールはお金があればで良いが、痛いと思われるのでリハビリ目的ならタオルを硬く巻いた物で良いだろう。いわゆるストレッチ用に市販されているストレッチポールは硬い発泡スチロールの筒でできている。ある程度柔らかくなったら使用する程度に考えて良いとのことだ。
 現状では前屈はできなかった。本当に前に行かない。少し不安だった。座ったまま、どちらかの足を前に出して伸ばす。これが辛い。つま先を立てて足首を反らす。できるだけ延ばして前屈の姿勢まで持って行けるだけやる。無理はしてはならない。腰に負担がかかる。お尻や腰に痛みがある場合は即座に止めて、痛くない範囲でやる。とにかくつま先と足首を反らして伸ばす。その時、体を横にねじると痛みは出にくいが、効果は少ない。どうしても痛いなら、横を向いても良いので、慣れと共に徐々に正面を向けるようにする。ゆっくりで良い。とにかく焦らないこと。
立った時も足首とつま先を反らして片足で前屈してみる。その時もう一方の支える方の足の膝が外に逃げないようにする。辛いようなら徐々に正面を向くようにする。

 寝ている時でのストレッチは出来る。横の筋膜を延ばすことも重要。先ほどのタオルを硬く巻いた物を使って、横になっている時テレビ見ている時とかに太ももの下にその筒を敷いて横になっていればよい。1分おきに場所を移動していく。それだけでも筋膜のマッサージストレッチになる。
腹筋は必ず膝を立ててやる。そのまま首を上げるくらいで良い。それをキープ。一回5秒x10回朝昼晩。コルセットしたままでOK。あくまで筋トレではなく、最低限の体幹調整が目的だ。
一通りの説明や解説があったこの日は終了した。翌日から頑張ろうと強く思った。

術後三日目
 まずは朝の回診。傷の経過は順調とのこと。血液ドレーンがついに除去された。完全チューブフリーだ。とても気楽になった。やはり異物が体に繋がれていると言うのは、多少なりともストレスだ。病気も手術も、本当はしない方が良いに決まってると感じた。(しかしやる時にはやらないとではある。)
 本日はリハビリ指導の1日目。前日習ったことを中心に、けっこう頑張ったと思う。上に書いた内容のものを何回か繰り返しやった。座りながら左足のかかとを地面につけて、足首を反って伸ばす。情けない話だが、これがかなりきつい。でも数回やった。その時痺れるのは腰の左側とお尻の左上。左足の付け根(裏側)。ひらめ筋と梨状筋と中臀筋。それになぜか尾てい骨付近だ。数にして5回くらいを行ったと思う。(1分x5)


術後四日目
 朝起きると腰に鈍痛を感じる。少し不安であったが立てる。以前よりも普通に座れる。(痛くないように気をつけながらならではあるが)歩ける。(かかとから着く正しい歩き方とは言えないが。)そう感じながらしばらくたっても、鈍痛は解消されていない。リハビリで頑張り過ぎたのかと思う。それでもほとんど前屈みっぽい姿勢は取っていないのだが。。。確かに座って前屈みが一番負担かかるのかもだけど。。。しかし曲げられない。多少なりとも不安になる。もちろんお辞儀もできない。今日のリハビリで相談することにした。
 さて、本日も1時間のリハビリ指導。今日からは、理学療法士の先生の指導時間以外に、朝昼晩と3回のリハビリタイムを設けることを義務にした。とにかくまずは普通に歩ける様になりたいのだ。今日習ったこと。梨状筋症候群?や馬尾症候群?も含めた治療を考える必要があるかも。椎間板ヘルニアを患ったことにより、そちらまで症状が広がったことは考えられるのではないか?(これは外科医の診断と言うより、理学療法士の先生が痛む部分を見ての判断だが。)怪我の部分と痛む部分が一致していないというのは神経系の怪我や病気では良くあることだ。
 その日は腹部インナーマッスルの鍛え方を習った。深呼吸。とにかく細く長く出す。腹式呼吸だが、出し切る過程で仰向け(膝は立てる)になった時に浮いている背中部分を床に押しつける感覚でゆっくり。5回1セット。1日三回。回復のための腹筋、膝を立ててお腹を見るようにして3秒。10回1セット、一日三回。わりときつい。。。
 仰向けで両膝を90度に立てる。右足をその角度を保ったまま90度上に上げる。その次に右足を上げたまま左足を同様に上げる。次に膝の角度を90度に保ったまま下げる。次に左足を下げる。10回1セット。一日3回。
これ加えて前日からやっているストレッチも忘れずにこなした。

 膝裏の筋を延ばすようにほぐすようにマッサージし、そして梨状筋もほぐしてストレッチする。30秒以上じゃないと伸びないとのことなので、1分とかなるべく我慢して長時間挑戦した。早く柔らかくならないかなと期待して。

術後五日目
 ゴールデンウィークに突入してしまった。リハビリが休みなので、自分でやる。朝昼晩の3回。タオルストレッチ1分ずつずらしていく。座位での左足のストレッチ1分。横になって腹筋15回、足上げ15回、深呼吸5回。梨状筋を自分でもマッサージしてみる。難しい。出来ているのかまったく分からない。調べるに、梨状筋と中臀筋を柔らかくすることが大切だと、自分で判断してのこと。その後、立位でのアキレス腱のストレッチ。付け根の方とふくらはぎの方、更に大きく股を前後に開いてハムストリングのストレッチ。各一分。これらを朝昼晩と繰り返した。

術後六日目
 前日と同様にGWによりリハビリが休みなので自分でひたすらやる。今日からタオルストレッチはテニスボールに変更。こっちの方が圧倒的に痛い。体重をかけることによって筋が湾曲する。これによってストレッチの効果があるのだ。これで和やらかくなるのは早まるだろうか。。。期待が焦りにならないように注意しながら。。。

術後七日目
 寝起きで背中と首を痛める。腰をかばうあまり、寝返りや寝起きの時に頭を支店にして動かした模様。この時に変な体勢をとったと思われ、これにより右首と僧帽筋(または大菱形筋)を負傷。おそらくぎっくり腰の背中・首バージョン。痛みは激しい。起き上がるのが苦痛。寝ても痛かった。仰向けが非常に苦痛。すぐにモーラステープが処方されて貼ってもらった。効いている感じがした。午前には痛みは多少和らいできた。しかし、首が上下左右に自由に動かせず、いかにも不自由。歩ける、座れる。しかし、寝ているのが辛い。これは非常に痛手。しかし、何とか良くなるのを待つ意外に方法はなさそう。本日リハビリはお休みだ。二次災害はつきものか。気をつけていたのに、寝ている時はどうしようもない。。。少し落ち込んだ。

術後八日目
 背中の痛みは軽減したのでリハビリを再開。前々日と同じメニューをこなす。朝昼晩。一日休んだせいか、筋肉の張りが軽微になった気がした。伸ばしやすくもなったと思う。まだ痛む時があるが、その痛みを我慢すれば椅子に座って足を伸ばせるようになった。これは進歩したと自分で実感が沸いてきた。

術後九日目
 前日の進歩は後退していない様子で嬉しい。歩く時もだんだんとかかとから歩ける様になってきた模様。まだかかとを先に出すと、お尻や裏太ももの付け根に痛みやつっぱりがある。しかし、術後よりもその痛みは明らかに減って来たと思う。体の回復を感じられてテンションが上がる。しかし無理は禁物。基本的に痛いことをやってはいけない。この日も朝昼晩とメニューをほぼ完璧にこなした。どこまで改善するのか楽しみになってきたと同時に、どこかで回復が止まるのではないかと不安も出て来た。やはり焦らず継続が大切と言いきかせて、翌日の第三回目のリハビリ指導を迎えた。

術後十日目
 本日からリハビリ指導が再開。3回目。朝のメニューをこなしてからリハビリ室に出向く。そこで先生のチェックが入る。座って足を伸ばす。寝て足を上げる、など。マッサージもしてもらって、また足を上げる。「ずいぶん伸びるようになったー!」と先生。とても『嬉しかった。まだ問題は残っているし、目標である靴下を履くことにまだチャレンジしていない。もっと頑張ろうと思っている所で、3回目の指導が始まった。

今回はここまで。次回はリハビリの続きと退院まで。
Yskでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿