英国でポスドクをして大学教員になった若手研究者のブログ

ポスドクの研究留学日記的なブログ

2012年2月15日水曜日

そもそもの話②:イギリスかな

①の続き。

そんなこんなでポスドク行くことになったわけです。

じゃあ次はどこに行こう?ということになる。
そこで考えたことがある。

それは何を目指して行くのか、ということ。
僕の場合、ディスカッションをきちんとやりたいと思った。
ディスカッションを通して、新しい考え方を身につけたいと思った。
格好つけた言い方をすれば、哲学を学びたい、だろうか。

日本からポスドクに行くとなれば、候補は普通、2つだ。
アメリカかヨーロッパだろう。

これはあくまでうわさ話の域を出ないのだが。
アメリカはとにかく成果主義らしい。結果を出さなければ生き残れない。
ま、それはどこでも同じなのだろう。
しかし、その競争がとてつもなく激しいと聞く。
ポスドク同士が同じテーマで競い合うとかなんとか。
率直にそれはえぐいでしょ。
つぶされる可能性も充分あるし、僕の場合、つぶすということも考えられない。
実力的にも精神的にも苦痛かな。
そうじゃなくて、同僚の失敗も成功も共有する環境が好きだと思った。
哲学を学びたいから。
いろんな話をしたかったんだよな。
 アメリカでは自分のアイディアとかを隠すらしい。良い結果が出るまで。
そして教授は研究資金を獲得するために奔走していて、ラボにいる時間は少ないと聞いた。
そして実際の仕事は馬車馬とも。
ヘタしたらボスの駒扱いでひたすら体を動かさないと生き残って行けないとも。
うん、もしかしたらその自信がなかったのかもしれないな。
そういう意味でも勝てるという自信について深く考えることは避けていたと思う。
①にも書いたけど、自信というより覚悟の方が大きかったというのも、そういうことなのかもしれない。

やっぱり考え方をゆったりとした態度で学びたいんだな。
それじゃ、どこで考え方の共有をするのか。
アメリカではそれが想像できなかった。
競争するのは間違いないのだけど、その競争もつぶすつぶされるの競争じゃなくて、考え方の良し悪しを勉強したかった。

ヨーロッパは将に哲学の本場だと思う。
古代ギリシャの頃からの哲学の歴史を非常に大事にしているように感じている。
そこが自分の求めているものだと感じた。
考え方を磨くのには最適かなと。

実は今の教授もイギリスで学んだ経験があるので、そういう部分についても詳しく聞けたのが大きいとは思う。
その自分が求めるものが確実にあるという安心感が大きかったのだろう。
それでヨーロッパに決めた。

さて、そうなると、どこにしようか、となる。
少し自分で探してみた。
自分の専門領域で自分の目に止まる論文を出している人が、オーストリアにいた。
その人がいいなと思って現実的に考えるようになった。

話はそれるけど、私はクラシック音楽が好きなんだ。
私の心のゆとり。

先ほどのオーストリアの先生はどこにいるかと言うと。。。
ウィーン!音楽の都!!
これだべ!間違いない!!

自分の中でぐっと来たな。
それで教授に打診した。(純粋じゃない部分があるけど・・・)

結果、NO!!↓↓
理由は、その人をよく知らないし、噂も聞こえてこないので不安だということ。
先生の親心だと、勝手に解釈した。

それで困ってしまって、どこを選んで良いかわからなくなった。
で、先生に聞いた。
どこがいいですか?って。

それで紹介してもらったのがオックスフォード。
オックスフォード!?!?!?
ががーん!!と来ました。
まさか自分がそこに?と。

単純に行ってみたい!と思った。
だって学問の街じゃん!
学問楽しめそうじゃん!
あー、自分をよく見てくれているな、と感謝の気持ちも沸いた。

それでイギリス、オックスフォードになったわけさ。
あまりにあっけない感じだけど、そこを紹介してもらえたのは本当に良かったと感謝している。

そういう意味で、人のつながりは本当に大切だ。
特に自分のことをよくよく見て考えてくれる人の存在は。
例え厳しいことを言われても。
そしてそいういう人が助けてくれたことは絶対に忘れないと思うし。

人生、出会いというもので大きく変わることだってあるよね。

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